テンプラーナ早期介入療法のホームトレーニング症例 脳障がい

デンマークのリフレクソロジー「ソレンセン式神経反射療法」の日本校

Justin Dk 2

テンプラーナ早期介入療法のホームトレーニング症例 脳障がい

デンマークジャスティンのケース(母バーリットによる報告)
診断名:脳障がい

 

ジャスティンの脳障がいは見てすぐに分かるものではありません。

両親によるとジャスティンは三男で出産時は全く問題が見られていませんでした。
しかし生後1週間にいつものようにミルクを与えようとするとジャスティンが顔をそむけることに気が付き何かおかしいと異常を感じました。

夜には状態が悪化し、コペンハーゲンのメインホスピタルに救急車で運ばれ新生児科に連れていかれ、その時にはジャスティンの呼吸は不安定になり痙攣を起こしていました。

精密検査によりジャスティンには多数の動脈瘤があり、そのせいで脳に血が溜まり脳障害を引き起こしていたことが分かったそうです。

病院についてから1日半後には、医師からジャスティンが3か月まで生きられる可能性は50%だと告げられました。

そのため両親は、もしあと少ししか生きられないのであればジャスティンを自宅で過ごさせてあげたいと考え、自宅に連れ帰りました。

不安がのしかかる中、両親はただただ祈るよりほかはない日々を過ごしていました。

検査技師である母バーリットは、仕事柄日々重篤な病状の人に携わっているため、死を身近に感じる環境にいたことから、とにかく日々の一つ一つをこなしていくことに集中していました。

父マークは厳しい状況の中、全てが現実味のないように感じ、なぜ生まれたばかりの息子がこんなに苦しまなければならないのかということばかりを考えていました。

そんな中、ジャスティンの状態が徐々に良くなっていき、両親は歓喜しました。

ジャスティンにはもちろん後遺症が出てはいましたが、医師から植物状態になる可能性もあるため心の準備をと言われていた状態とはかけ離れていたました。

 

しかし、障がいを持つ子供の親であるということは、心の準備が必要です。

 

まず両親の前に大きく立ちはだかったのは、ジャスティンとのコミュニケーションという壁でした。ジャスティンは何かを伝えたいときにボディランゲッジを使いました。しかし、それで上手にコミュニケーションが取れているかというと、両親がそれに気が付かなかったり、ジャスティン自身が強引な性格でもなかったことから、気づいてもらえなかったり、解ってもらえないとジャスティンは悲しみやフラストレーションにより、うちに閉じこもることもありました。

歩行がつま先歩きなことで、階段を上ったり一度床に座ると一人で立ち上がることができませんでした。また、つま先歩きにより、よく転ぶことが多いジャスティンは、もともと大人しい性格なこともあり、転んだり自分がケガをし血を流しても一切声や音をだしませんでした。

 

そんな中、障がいを持つ我が子のために可能性のあると思われる物は是非試して行きたい、ただ、何でもよいということではないと考えていた母バーリットは、2002年に初めてテンプラーナ早期介入療法のホームトレーニングのことを友人から耳にしました。

母バーリットは、ジャスティンの状態に合わせた彼だけのためのカスタムメイドのテンプラーナ・ホームトレーニング・プログラムを学びました。
そして、毎晩その施術をお風呂の後に心地の良い音楽を流しながら、リビングの中央に配置されているジャスティンへの施術に最適な野外用リクライニングチェアーで行いました。

人にテンプラーナ早期介入療法のホームトレーニングについて聞かれると、母バーリットは、足の一般的なリフレクソロジーによく似ているが、足だけでなく顔や手にも施術をし、神経系に働きかけるリフレクソロジーでジャスティンもこの1時間かかる施術を受けるのが大好きでよく受けながら寝入ってしまうと説明するそうです。

 

母バーリットによると、テンプラーナ・ホームトレーニングを開始後「あっという間にコップにミルクを入れるなどの小さな日常のタスクができるようになった」というようにジャスティンの状態に改善がみられたそうです。

そして、開始後1年半後に突破口となる出来ことがありました。

ジャスティンが6歳の時、父マークが単身赴任先のドバイから自宅へ電話で連絡を入れた際に、ジャスティンが受話器を取り、はっきりとした口調で「パパ、いつ帰ってくるの?」と突然、生まれて初めて言葉を話し、両親はそれを聞き泣いて喜んだそうです。

 

それ以来、両親は日々ジャスティンに見られる様々な変化に喜び驚いています。

ジャスティンが話せるようになったことで家族の生活は大きく変化し、生活の質も上がり、今振り返ってみてもまた大きな喜びを感じずにはいられないそうです。

 

母バーリットは、現在もテンプラーナ・ホームトレーニングをジャスティンに行っており、これからも続けていくそうです。母バーリットの夢はジャスティンが思春期になるまでに一人でトイレに行けるようにすることで、状態とゴールに合わせてプログラムを更新していけるテンプラーナでは、それが可能となるのです。

 

母バーリットがテンプラーナの話をすると、それを胡散臭いと取る人によく出会い、「どうして息子さんが良くなったのはテンプラーナのお陰だと言い切れるの?」と聞かれるそうです。

そういった人たちは、「何もしなくてもジャスティンは良くなっていたのではないか」と疑うそうですが、母バーリットはツボの刺激や神経ポイントの刺激など実証されているテクニックをしているため信頼できるものだと説明しています。

 

現在48歳の母バーリットは、以前、自分と夫マークに何かあった時にジャスティンはどうなってしまうのだろうと不安押しつぶされそうな毎日を過ごし、心療内科にかかっていたそうです。

実際にジャスティンが話せるようになったことが不安を抱え続けていた両親にとって大きな安堵となり、今後、人の手を借りずに生きていけるようになると信じているそうです。

楽しく明るくチャーミングなジャスティンを中心に両親はお互いに支えあい、家族一丸となり厳しい状況に対しても前向きに対応してきました。

 

10歳の時に、コペンハーゲンにある彼らの自宅にジャーナリストがジャスティンに会いに来た時、ジャスティンは玄関の近くでジャーナリストを迎え入れ握手しながら「ハーイ」と挨拶していました。そしてジャスティンは笑顔ではっきりと「裏庭にある僕のトランポリンを見て! 僕、大好きなんだ!」と言ったそうです。
現在子供用の車いすはリビングルームの隅に放置され、部屋の中央に配置されている野外用リクライニングチェアーがジャスティンの日々の生活に大きな役割を果たしているそうです。

 

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